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訪問看護のオンコールとは?業務内容や対応事例を解説

訪問看護のオンコール対応とはどういったことをするのでしょうか。
また、具体的にどのような事例があるのか知りたいものです。

この記事では、訪問看護のオンコール対応の3つのパターンや自宅待機の際の注意点、手当の金額などについて解説します。
オンコール事例についても解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

訪問看護のオンコールとは?業務内容や対応事例を解説

訪問看護のオンコールの業務内容

「訪問看護のオンコール」とは、夜間や利用者宅への訪問の予定がない日に、家族や利用者本人からの緊急連絡へ対応するために、自宅に待機することをいいます。

2023年7月の厚生労働省の報告によると、約86パーセントの訪問看護事業所が緊急時対応の体制を取っているとされ、しかも、オンコールの勤務形態を設ける訪問看護事業所は今後も増加することが予想されます。

精神科訪問看護に特化したステーションでは、緊急訪問の必要性がほとんどないことからオンコールをおこなっていない事業所が多いようです。
相談対応や服薬管理、日常生活の支援といったものが、主な業務内容となっているからです。

オンコール体制の3つのパターン

オンコールの体制には以下の3つのパターンがあります。
自分のライフスタイルと照らし合わせて、最も対応しやすい訪問看護ステーションを就職先として選ぶようにしましょう。

① 1人体制、1日単位の輪番制
② 1人体制、1週間単位の輪番制
③ 2人体制、1日単位の輪番制(主たる管理者、従たる常勤看護師などの組み合せ)

自宅待機中の注意点

自宅でオンコールに備えて待機している間は、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

いつ緊急連絡が入り、駆けつけなければならないかわからないので、自宅から遠くに外出できません。
しかし、基本的には普段通りの過ごし方をしてもかまいませんし、近くなら外出しても問題ありません。

そのほか、注意すべき点として以下のものがあります。

・飲酒はNG
・スマートフォンは入浴時や就寝時も近くに置いておく
・工夫してできるだけストレスのかからない過ごし方をする

オンコール手当

1回につき約1,000円から3,000円のオンコール手当が、緊急連絡が実際にはなかった場合でも支給されます。

実際に緊急訪問をおこなった場合は、別途、訪問時間に応じた手当が支給される場合がほとんどのようです。

電話対応と訪問対応

オンコール対応は、電話対応と訪問対応の2つに分かれます。

1.電話対応

緊急訪問の必要があるか、救急車を呼ぶべきか、電話対応のみで解決できるのかをオンコールを受けて、最初に判断します。

そのためにも以下の項目についての確認が必要です。

① 利用者の氏名
② 連絡があった人の氏名と利用者との関係性
③ 現在の利用者の状況
⓸ 利用者の意識状態
④ 利用者の主な症状
⓹ いつから症状が出たのか

電話対応で解決できると判断した場合は、家族などに現状への対処方法および今後予想されるリスクを説明します。
そして、状態が悪化した場合は再度連絡するよう促します。

また、必要あれば主治医への報告や、時間を置いてその後の状態の確認などを行います。

2.訪問対応

電話対応では解決できないと判断した場合は緊急訪問が必要です。

緊急訪問をする際に以下の点を確認しましょう。

① 利用者宅までの所要時間
② 到着するまでにとるべき対応

移動の際は、落ち着いて行動し交通事故などに十分注意しましょう。

事例紹介

実際にオンコールとなった場合は具体的にどのように対応すればいいのでしょうか。
3つの事例をご紹介します。

事例その① 電話相談のみ

・連絡者:訪問看護を行っている80代のアルツハイマー認知症の女性の家族
・症状  :排便がなくおなかが張って苦しいとのこと。
・対応  :頓用の下剤の服用と水分摂取をするよう要請し、翌日の訪問時間までに排便が困 難だったり腹痛があったりした場合は、再度連絡をするよう依頼。

事例その② 緊急訪問を実施

・連絡者:頸髄損傷、神経因性ぼうこうのため訪問看護を週3回利用している70代の男性の
家族。
・症状  :腹部が張っていて尿の流出が少ない。
・対応  :訪問し状況を確認。
ぼうこうに留置されたカテーテルの浮遊物による尿混濁があったので、ミルキングを実施してみたが改善せず、ぼうこうが閉塞(へいそく)していることが判明。
主治医に連絡したところ、生理食塩水を使ってぼうこうを洗浄するよう指示があり、実施したところ、下腹部膨満が消え、スムーズに尿流出ができた。
水分摂取をすすめ、訪問終了。

事例その③ 救急車の緊急要請

・連絡者:高血圧症があり服薬を管理するため訪問看護を週1回のペースで利用している高齢の男性利用者の家族
・症状 :入浴後から嘔吐を繰り返している。
看護師が訪問し確認を行ったところ、血圧が200台、頭痛と嘔吐、左手の握力低下が認められ、脳血管障害の可能性を確認した。
・対応 :救急車の緊急要請を実施

まとめ

この記事では、訪問看護のオンコール対応の3つのパターンや自宅待機の際の注意点、手当の金額、オンコール事例などについて解説してきました。

事業所によって、待機者の人数や回数、緊急訪問時の手当などは異なるようですが、大部分の事業所が訪問看護のオンコール体制を設けているようです。

訪問看護のある施設で働く介護士をめざしている人は、希望する介護施設の労働条件や給与などを事前にしっかり確認してから就職するようにしましょう。

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