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訪問看護のオンコールの実際は?オンコールの仕事内容や事例を解説

利用者の家や施設を訪問して看護を提供する人のことを訪問看護師といいます。
少子高齢化の影響で、訪問看護師の役割は年々重要度が高まってきています。

訪問看護師は、病気や障害があって在宅で療養している人々に看護を提供し、生活を支えることが目的となっています。

訪問看護師の仕事のひとつに「オンコール業務」というものがあります。

この記事では訪問看護師のオンコール業務の実態を解説します。訪問看護師をめざす人はぜひご参考にしてください。

訪問看護のオンコールの実際は?オンコールの仕事内容や事例を解説

訪問看護のオンコールとは

オンコールの定義は「夜間や訪問予定がない日などに利用者の家族からかかってくる緊急の電話を受けるために看護師が待機すること」です。

オンコール体制の現状

令和4年4月の厚生労働省の調査によると、約86%の訪問看護事業所がオンコール体制を取っています。
これからもますますオンコール体制を取る事業所は増えていくことでしょう。

訪問看護事業所によって異なるオンコールの体制

訪問看護事業所の規模や在籍する看護師の人数によってオンコール体制は異なります。

同じ輪番制でも、1人1日単位、1人1週間単位、あるいは管理者、常勤看護師などの組合せの2人1日単位の3つがあります。

自分のライフスタイルに合ったオンコール体制を持つ訪問看護ステーションであるかを、就職時にはよく確認しておく必要があるでしょう。

オンコール待機中に守るべきこと

基本的に自宅待機をします。緊急時に迅速に対応できることが求められます。
とはいえ、下記に注意すれば通常の生活をしてかまいません。

1.飲酒は厳禁
2.スマートフォンは入浴時や就寝時も近くに置いておく
3.外出は可能(ただしすぐに駆けつけることができる範囲の場所)

オンコール待機中は上記の点を守らなければなりませんが、ストレスがかからないように工夫して過ごしましょう。

オンコール手当

実際に緊急時の訪問を行わなくても、相場として1回につき1,000円~3,000円程度のオンコール手当が支給されます。

そして、実際に緊急時の訪問を行った場合は、その分の手当が別途支給されることが多いようです。

オンコール待機中の実際の業務内容

利用者の家族から電話がかかってきたら、まずは以下の項目を確認し、適切な対応ができるようにしておかなければなりません。

・利用者の氏名
・電話をかけてきた人の氏名と利用者との関係
・利用者の現状(例:転倒して起き上がれない)
・利用者の意識状態(例:呼吸があるか、会話が可能か)
・利用者の主症状(例:呼吸困難、嘔吐、痛み、発熱、外傷など)
・症状が現れた時間

そして、以下の3つのうちどれに該当するのかを判断します。

⓵ 緊急訪問が必要か
必要な場合、訪問の支度をし、家族に以下を伝えます。

・到着までにかかる時間
・到着までにするべき対応

また、移動の際は、あわてて事故などを起さないように注意しましょう。

⓶ 救急車を手配したほうがよいか

⓷ 電話対応のみで解決できるか
⓷の場合は、現状への対処方法と今後のリスクの可能性を説明し、状態が改善しない場
合は再度電話するよう要請します。

あわせて、主治医への報告や、利用者宅へその後の状態確認のための電話を行います。

訪問介護オンコールの実際の対応例

実際にオンコールを受けた際の対応事例をご紹介しましょう。

事例1.電話相談のみ

(1)電話連絡者:認知症のため訪問看護を利用していた高齢女性の家族
(2)症状:本日の排便がなくおなかが張っている
(3)対処:下剤を服用し、水分を多く摂取するよう要請し、さらに改善がない場合は再度連絡をするよう要請

事例2.緊急訪問を実施

(1)電話連絡者:週3回訪問介護を利用していた神経因性膀胱の症状を持つ高齢男性の利用者の家族
(2)症状:尿の出が少ない
(3)対処:訪問を実施、膀胱が閉塞していることが判明、主治医に報告し、指示に従って膀胱洗浄を実施、その結果尿がスムーズに流出するようになったため水分摂取をすすめた

事例3.救急車を要請

(1)電話連絡者:訪問看護を週1回利用していた高血圧症を持つ高齢男性の利用者の家族
(2)症状:入浴後より嘔吐を繰り返している
(3)対処:訪問し状態を確認、脳血管障害の可能性を認めたため救急車を要請

まとめ

ここまで訪問介護におけるオンコールの実際の業務内容を中心に解説してきました。

オンコール体制を取っている訪問看護事業所は多く、これからもますます増えていく傾向にありますが、事業所によってオンコール体制はさまざまです。
訪問看護ステーションに就職する際は、条件などを事前によく確認しておくことが必要です。

また、訪問看護師としてオンコール待機中は、遠くに外出しない、携帯電話を常に身近に置いておくなどのルールを守りながらも、ストレスを抱えないような工夫が必要です。

そして、いざ利用者の家族から電話がかかってきたら、迅速かつ正確に判断・対応ができるよう常にスキルを磨いておくようにしましょう。

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