褥瘡(床ずれ)は、体の一部が長時間同じ姿勢を保つことによって、皮膚の障害を引き起こす疾患です。
介護をしている人は、この褥瘡(床ずれ)に悩まされる人が多いのではないでしょうか。
褥瘡(床ずれ)は場合によっては皮膚がんにもつながる病気です。
この記事では、褥瘡の原因、ステージ、治療方法、そして予防について、治療に悩んでいる人のために詳しく説明します。
また、褥瘡になった場合にはどの専門家を受診すべきかも解説します。
褥瘡は早期の対処が重要であり、その治療法やケア方法を正しく理解することが、患者の健康を守る鍵となります。
褥瘡(床ずれ)とは?
褥瘡(床ずれ)は、皮膚やその下の組織が長時間の圧迫や摩擦にさらされた結果、傷つく病態です。
この状態が進行すると、傷は深くなり、感染症のリスクが高まります。
褥瘡は主に寝たきりや移動能力が制限された患者に影響を与えますが、誰にでも発生する可能性があります。
褥瘡(床ずれ)とは何?原因は?
褥瘡は、主に体の圧迫や摩擦によって引き起こされる皮膚の損傷です。
床や寝具による圧力が血液循環を妨げ、皮膚組織に酸素や栄養素が供給されなくなることが原因とされます。
その結果、皮膚組織が壊死し、褥瘡が発生します。
褥瘡の発生には、以下の4つの要因が関与しています。
外力:体位変換や寝具による圧迫
栄養状態:栄養不足や浮腫
湿潤:多汗や失禁による湿度の増加
自立:日常生活動作(ADL)の低下や関節拘縮
これらの要因が組み合わさることで、褥瘡の発生リスクが高まります。
特に高齢者や寝たきりの患者、皮膚の弱い人々は、褥瘡になりやすい傾向があります。
褥瘡(床ずれ)は何科で治療?
褥瘡(床ずれ)の治療には、一般的には皮膚科医が関与します。
皮膚科医は褥瘡の診断と治療に専門的な知識を持っており、患者に適切なケアを提供します。
ただし、褥瘡が進行し深刻な合併症がある場合には、外科医や内科医と連携し、手術や全身的な治療が必要となることもあります。
病院や医療機関での専門家の指導に従うことが、褥瘡の治療の成功に不可欠です。
褥瘡(床ずれ)のステージ
褥瘡は、ステージによってその深刻さが異なります。
ステージは以下の通りです:
ステージI:皮膚の赤みや発赤が見られる段階。
皮膚の表面に問題があるが、まだ表皮が破れていない。
ステージII:表皮が剥がれ、浅い潰瘍が形成されている段階。
痛みやかゆみが増加することがある。
ステージIII:皮下組織まで達した深刻な潰瘍が形成されており、壊死組織が存在する。
ステージIV:皮膚、皮下組織、筋肉、骨など、深部の組織にまで潰瘍が及んでいる段階。
合併症のリスクが高い。
褥瘡のステージに応じて治療やケアのアプローチが異なりますので、正確な診断が重要です。
褥瘡(床ずれ)を治療しないとどうなる
褥瘡を放置すると、深刻な合併症が発生するリスクが高まります。
これらの合併症には以下のようなものがあります。
感染症:褥瘡の潰瘍部分が感染し、細菌が血流に侵入する可能性があります。
敗血症:感染が全身に広がり、重篤な状態である敗血症が発症することがあります。
骨感染:ステージIVの褥瘡で骨が影響を受けることがあり、骨感染が起こることがあります。
皮膚がん:長期間存在する褥瘡は皮膚がんに進行する可能性があります。
褥瘡は早期に適切な治療とケアを受けることが非常に重要です。
医師の指導に従い、治療計画を実行することが必要です。
褥瘡(床ずれ)の治療法
褥瘡の治療法は、褥瘡のステージや患者の状態によって異なりますが、一般的な治療法には以下の通りです。
圧迫軽減:患部を圧迫から解放するために特殊なマットレスやクッションを使用します。
創傷ケア:潰瘍部分の清掃と包帯交換が行われます。
感染を防ぐために適切な抗生物質が必要な場合もあります。
栄養療法:栄養不足を補う栄養療法が行われ、体内の修復能力を向上させます。
痛み管理:必要に応じて痛みを管理するための薬物療法が導入されることがあります。
褥瘡(床ずれ)の予防法
褥瘡を予防するためには、以下の方法が役立ちます。
体位変換:長時間同じ姿勢を保たないように、体位変換を行います。
圧迫軽減具の使用:特殊なマットレスやクッションを使用して、圧迫を軽減します。
適切な栄養摂取:栄養バランスの取れた食事を摂り、栄養不足を防ぎます。
保湿:皮膚を適切に保湿し、乾燥を防ぎます。
衛生管理:清潔な環境を維持し、感染を予防します。
褥瘡(床ずれ)はすぐに治療しよう
褥瘡(床ずれ)は、特に寝たきりや移動能力が制限された患者に影響を与える重要な問題です。
正しい治療と予防策を実行することは、合併症を防ぎ、患者の健康を守るために不可欠です。
褥瘡の治療は皮膚科医の指導のもとで行われるべきであり、早期の診断と適切な治療が成功への鍵です。
定期的な医療チェックアップと予防策の実行によって、褥瘡のリスクを最小限に抑えましょう。
より詳しい情報を知りたい場合は、株式会社 ケア・リジョン(たまき訪問看護リハビリテーション)に聞いてみてください。