こんにちは😊
たまき訪問看護リハビリステーション 理学療法士 根津と申します。
今回は最近私がリハビリテーションさせて頂くことが多い難病について簡単な説明と
その中から『脊髄小脳変性症』に関して症状とリハビリ方法の説明をしていきたいと思います。
難病とは?
「難病」というと、一般的に治りにくい病気、治し方が分からない病気と言われています。
難病の定義
2015年1月施行の「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」により
1から3のとおり定義されています。
ただし、がんや精神疾患、感染症、アレルギー疾患等、個別の施策体系があるものは含まれていません。
1.発病の機構は明らかではない
2.治療方法が確立していない希少な疾患である
3.当該疾患にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなるもの
国が「難病」の具体的な疾患を継続的かつ専門的に選定し、そのうち以下の要件を満たす疾患を「指定難病」と位置づけ、医療費の助成が行われています。
●患者数が我が国で一定数に達していない
●客観的な診断基準、またはそれに準ずる基準が確立している
難病の方に向けた医療費助成制度の案内は厚生労働省ホームページ「難病対策」から参照してください。(以下URL)
→https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nanbyou/index.html
ここからは難病疾患(脊髄小脳変性症)に関して症状とリハビリ方法を紹介させていただきます。
はじめに脊髄小脳変性症とは?
脊髄小脳変性症とは、はっきりと話すことができない、手が震える、まっすぐに歩けなくてふらつくなどを
主な症状とする神経変性疾患です。
診療ガイドラインに「小脳を中心とし脳幹、脊髄あるいは大脳をおかす神経変性疾患であり、運動失調のほかパーキンソニズム、錐体路障害、末梢神経障害、認知症など様々な症候を呈する症候群である。」と記載されています。
症状
主症状として運動失調があります。
筋力低下がないにもかかわらず運動の調整をうまく行うことができないために、滑らかな動きができないです。
歩く時にふらつく、階段が降りづらい、物がうまくつかめない、うまく話せないなどと訴えることが多いです。
治療
薬物治療もありますが今回は対症療法(リハビリ)に関して紹介させていただきます。
・重錘負荷や包帯の装着によるリハビリ
理論的な裏付けはないですが、経験的に運動失調の症状が軽減することが知られています。
手足の感覚を強めるという意味では
伸張性のある包帯を太もも、腕、膝、肘などに強く巻き付ける方法も効果的で、身体が動きやすくなります。
・バランス機能を維持、向上させるための練習
運動失調は、日常生活の中ではバランス障害として現れることが少なくないため
バランス維持、向上を図るリハビリテーションも重要です。
具体的には四つん這い、膝立ち位、立位など、わざとバランスの取りにくい姿勢を作ったり、重心移動の練習をします。
・起き上がり、立ち上がりの練習
脊髄小脳変性症は筋力が衰えているわけではありません。小脳の機能が低下して、運動を記憶するプログラムが破損している状態です。
破損したプログラムは元通りにはなりませんが、身体には新たな運動の記憶を植え付けることができます。
そのため、起き上がりや立ち上がりの練習を毎日繰り返すことが大事になります。
・歩く練習
運動失調にてまっすぐ歩けずふらついてしまうため、肩の力を抜き、膝を軽く曲げ、歩幅を狭めて歩く方法を練習するようにします。
また、腕の運動機能も低下したときは、杖を使うと突く位置が不正確でかえって転倒リスクが高くなります。
両手で支えられるような歩行補助具の選定が大事となってきます。
以上、難病の簡単な説明と難病疾患(脊髄小脳変性症)の症状とリハビリ方法についての簡単な紹介をさせていただきました。
難病疾患の患者様や利用者様は一定数の方がおらず、確立した治療がなくアプローチにも難渋を示すと思われます。
ご参考程度に拝読して頂きますと幸いです。
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